ネパール撮影記 その2
朝5時に目を覚まし、空港へと向かいます。
トリブバン空港からポカラへのフライトです。
トリブバン空港の様子。
Nikon S3 / W-Nikkor 3.5cm F1.8 / Kodak 400TX
小型の飛行機でフライトです。
Nikon S3 / W-Nikkor 3.5cm F1.8 / Kodak 400TX
ポカラに着くとガイドを務めてくれるバラットくんが待っていました。
僕の拙い英語も聞き取ってくれるのでとても助かります。
トレッキングの前に山の麓で朝食をいただきました。
左がバラットくん。年齢は僕の1つ下で当時26歳です。
Nikon S3 / W-Nikkor 3.5cm F1.8 / Kodak 400TX
お豆とたまご。それ以外の感想はなかった。
フェディからトレッキングを始め、ダンプスという村を経由してオーストラリアンキャンプへと向かいます。
ダンプスという村は…
フェディより徒歩で急坂を登りきった標高1800mの高地にある農業主体の小さな村に過ぎないが、ヒマラヤ展望のできる観光地として知られ、観光客向けのロッジ、ホテル、茶店などが点在する。アンナプルナ連峰やマチャプチャレなど8000m級のヒマラヤ山脈が一望できる。さらに奥地にはガンドルン、チェムロンなど行政上の主要な集落もあり、アンナプルナBCやタトパニなどへの中継地として、世界中の多くの登山者でにぎわう。(wikipediaより引用)
道中いくつかの登山グループと出会いながらダンプスへと到着し、休憩をとります。
ダンプスの家屋
Nikon S3 / W-Nikkor 3.5cm F1.8 / Kodak 400TX
道は砂埃がすごかった。
Nikon S3 / W-Nikkor 3.5cm F1.8 / Kodak 400TX
農村の人々
Nikon S3 / W-Nikkor 3.5cm F1.8 / Kodak 400TX
簡単に食事を済ました後、そこからオーストラリアンキャンプを目指します。
雨季直前のため、午後になると靄がかかり遠くの山々は見えなくなります。また、スコールも度々起こりますが、道中雨上がりに少しだけマチャプチャレが姿を現しました。
マチャプチャレ
Nikon S3 / Nikkor-P.C 10.5cm F2.5 / Kodak 400TX
初めての光景に胸が熱くなります。
必死にシャッターを押し、バラットくんも良かったねと喜んでくれました。
しばらく歩くとオーストラリアンキャンプに到達しました。
オーストラリアンキャンプ
Nikon S3 / W-Nikkor 3.5cm F1.8 / Kodak 400TX
少し昼寝をした後、バラットくんがワインを飲みにバーに行こうと言い出しました。こんなところにバー?
素敵なバーがありました。
自家製ワイン。どぶろくかな?
可愛らしい店番の子。カメラを向けると照れながらもこちらを向いてくれた。
Nikon S3 / W-Nikkor 3.5cm F1.8 / Kodak 400TX
自家製ワインを飲みながらバラットくんとお互いのことを話しました。彼はとにかくメタルが好きで趣味が合います。王道からはじまり、お互いのおすすめの音楽を教え合いました。とても楽しい。
日も暮れ始めて夕食の時間です。
夕食を用意してくれています。お腹ぺこぺこ。
Nikon S3 / W-Nikkor 3.5cm F1.8 / Kodak 400TX
ネパール料理ダルバート
バラットくんから友情の証としてククリナイフをもらった。
ダルバートは、ネパールの代表的な家庭料理で、豆スープとご飯に、カレー味の野菜などのおかず、漬物の2つを加えた4つがセットになった食事です。ネパールでは毎日食べられています。疲れた分だけとても美味しくいただきました。
夜はさすがに寒いので食後にワインを持って焚き火に当たります。一人旅中のフランス人女性の方がいました。酔ったバラットくんはファンタの瓶みたいにナイスバディだねと耳打ちしてくるので思わず笑ってしまいました。女性とお互いの旅のことを話した後、明日に備えてバラットくんと寝床に戻りました。
結構綺麗で落ち着く。
明日はいよいよヒマラヤ山脈とご対面です。朝5時に起床して日の出を待ちます。ちゃんと起きれるかな…
ネパール撮影記 その3につづく。
ネパール撮影記 その1
2019年5月にネパールへ撮影の旅に行きました。
その記録をNikon S3で撮影した写真とともに紹介したいと思います。
ネパールのトリブバン国際空港へは
羽田空港→上海虹橋国際空港
上海虹橋国際空港→昆明長水国際機場
昆明長水国際機場→トリブバン国際空港
という順路で行きました。
昆明長水国際機場
Nikon S3 / W-Nikkor 3.5cm F1.8 / Kodak 400TX
昆明空港での15時間という長いトランジットでトリブバン国際空港に着いた頃には既に体力の限界でした。この時点で羽田を飛び立ってから28時間が経過しており、一度もまともに寝ていません。ネパールでは空港で簡単にビザを取得することができるので比較的スムーズに入国することができました。
空港からタクシーに乗り、カトマンズ・タメル地区へと向かいます。明日からトレッキングをするために、疲れた体を引きずり散策をしながら小さな旅行会社へと足を運びました。
カトマンズ・タメル地区
Nikon S3 / W-Nikkor 3.5cm F1.8 / Kodak 400TX
カトマンズ・タメル地区
Nikon S3 / W-Nikkor 3.5cm F1.8 / Kodak 400TX
タメル地区はバックパッカーの聖地として有名です。ありとあらゆる安宿や、雑貨や衣料の店がひしめき合っており、どれも英語が通じるのでとても助かります。
適当に旅行会社を選び、英語の話せるガイドと翌日の飛行機のチケットを手配してもらいました。朝7時の便でポカラへと向かいます。車で迎えに来てくれるとのことでしたが宿泊先をまだ決めていなかったのでオフィスの前で待ち合わせることにしました。
犬に吠えられて落ち込みましたが明日は何とか頑張ろう。
Nikon S3 / W-Nikkor 3.5cm F1.8 / Kodak 400TX
宿を決めた後は簡単に夕食を済ませて泥のように眠りました。
意外と綺麗な宿。1泊500円くらい。
ネパール撮影記 その2につづく。
黒いNikon S3のはなし
第2回は愛用しているカメラのもう少し詳しい話をしていきます。
今回はNikon S3 オリジナルブラックです。
S3の概要については既に数多の情報がネット上に転がっていますので割愛させていただきます。
ここでは自分のS3についての紹介。
Nikon好きの方やある程度カメラに詳しい方なら
「はいはい再生産型(オリンピック)ね」と思われたかと思いますが、
実際は200台ほどしか存在していないオリジナルブラックの番号帯のカメラになります。
Robert Rotoloni氏によるとオリジナルブラックの該当番号帯は下記の通りです。
6307453-6307508(約50台)
6312108-6312278(約150台)
※再生産型は632xxxx
前半の50台と後半の150台に分かれていますが、その中でもいくつかの仕様の違いが見受けられます。
①前期型仕様
シャッター幕:布幕
セルフタイマー:黒塗り
ダイヤルカバー:3本線
②再生産型に近い仕様(布幕)
シャッター幕:布幕
セルフタイマー:シルバー
ダイヤルカバー:6本線
③再生産型に近い仕様(チタン幕)
シャッター幕:チタン幕
セルフタイマー:シルバー
ダイヤルカバー:6本線
たまに海外のオークションに現れて法外な値段が付いているのは①の仕様です。
これは前期型のSPオリジナルブラックに準じた形となっており、通常のS3をそのままブラックペイントにしたような仕様となっております。Steve Schapiroが使用していた黒いS3はこの仕様ですね。前半の50台は全てこの仕様だと思います。
RTDのBob BrownのS3もこの仕様です。格好良いです。
続いて②と③は再生産型(オリンピック)に非常に近い仕様となっていることにお気づきかと思います。
この2つの仕様は後半の150台の中で混在しており、若い数字の方がチタン幕で後の数字の方が布幕だったりとごちゃ混ぜ状態です。
入手当初は塗装剥げはほとんどなく、使い込んでいくうちに今の姿になった僕のS3
自分のS3のシリアルは63122xxで、③の仕様となっております。
再生産型(オリンピック)に非常に近い仕様となっていますが、
底蓋のmade in Japanの大きさやパテントナンバーの有無など、細かいところを見ると若干異なっている部分もあります。
上が再生産型、下がオリジナルブラック用。大きさが若干違うのがわかる。
S3 オリジナルブラックに言及している日本語のサイトというのはほとんど見かけたことがありません。
自分がわかる範囲で書き綴ってみましたが、新たな情報などございましたらご教授いただけますと幸いです。
下から何か生えて…
また、月並みなことを言いますが、S3の長所というとやはり等倍で35mmが使えるという点だと思います。
当時の報道カメラマンはS3にW-Nikkor 3.5cm F1.8のセットが多かったようですが、自分も気に入っており、大半の写真をこの組み合わせで撮っています。
それらの写真やレンズの紹介はまたの機会に。
それではまた。
愛用カメラのはなし(S型ニコン)
はじめまして。Mozukuと申します。
私はNikon S3やSPのオリジナルブラックをメインに使用し、主に海外でスナップや風景写真を撮影をしています。
2019年にはモンゴルやネパールでのトレッキングにもこれらのカメラを持って行きました。
今回はそんなS型ニコンの魅力をお伝えしたいと思います。
メインカメラとして使用している大まかな理由は下記の通りです。
- 機材一式をコンパクトにできる
- ボディの堅牢性
- チタン製のシャッター幕
- ブラックペイントがかっこいい
まず1つ目から、
S型ニコンはレンジファインダーカメラのため、一眼レフ等に比べてミラーボックスがない分ボディが薄く、レンズも非常にコンパクトなものが多いです。
通常海外遠征の際には、ボディ2つとレンズを3〜4本持っていきます。また、Gitzoのトラベラー三脚を持っていくこともあります。
2つ目は言わずもがなボディの堅牢性の高さです。長らく報道の最前線で活躍し、Nikon Sは朝鮮戦争において冬季の戦場で唯一撮影が可能だったと言われ、ベトナム戦争でもNikon Fと操作性を揃えるためにLeica M3の代わりにS3やSPを使用するフォトジャーナリストは少なくありませんでした。また、そんな彼らへの憧れがこれらの機材を使用する1番の理由だと思っています。
気分はベトナム戦争で活躍するフォトジャーナリストです。
続いて3つ目は、これはS3再生産型もしくはSPの後期に限りますが、シャッター幕がNikon Fの登場に合わせてそれまでの布幕からチタン幕に変更されています。布幕に比べてシャッター音は大きくなっていますが耐久性に優れ、直射日光による幕焼けも防ぐことができます。これがM型ライカへのアドバンテージだと思っています(笑)
最後はブラックペイントの格好良さです。クロームメッキと違い、ブラックペイントは長年使い込んでいくうちに塗装が剥がれて真鍮地金が顔を覗かせます。それが非常に格好良く、段々と変化していく姿に愛着が湧くわけであります。
塗装剥げや改造の痕跡からおそらく報道カメラマンが使用していたと思われるSP
次回以降はカメラの詳細や撮影した写真を紹介していきたいなと思います。
それではまた。