黒いNikon S3のはなし
第2回は愛用しているカメラのもう少し詳しい話をしていきます。
今回はNikon S3 オリジナルブラックです。
S3の概要については既に数多の情報がネット上に転がっていますので割愛させていただきます。
ここでは自分のS3についての紹介。
Nikon好きの方やある程度カメラに詳しい方なら
「はいはい再生産型(オリンピック)ね」と思われたかと思いますが、
実際は200台ほどしか存在していないオリジナルブラックの番号帯のカメラになります。
Robert Rotoloni氏によるとオリジナルブラックの該当番号帯は下記の通りです。
6307453-6307508(約50台)
6312108-6312278(約150台)
※再生産型は632xxxx
前半の50台と後半の150台に分かれていますが、その中でもいくつかの仕様の違いが見受けられます。
①前期型仕様
シャッター幕:布幕
セルフタイマー:黒塗り
ダイヤルカバー:3本線
②再生産型に近い仕様(布幕)
シャッター幕:布幕
セルフタイマー:シルバー
ダイヤルカバー:6本線
③再生産型に近い仕様(チタン幕)
シャッター幕:チタン幕
セルフタイマー:シルバー
ダイヤルカバー:6本線
たまに海外のオークションに現れて法外な値段が付いているのは①の仕様です。
これは前期型のSPオリジナルブラックに準じた形となっており、通常のS3をそのままブラックペイントにしたような仕様となっております。Steve Schapiroが使用していた黒いS3はこの仕様ですね。前半の50台は全てこの仕様だと思います。
RTDのBob BrownのS3もこの仕様です。格好良いです。
続いて②と③は再生産型(オリンピック)に非常に近い仕様となっていることにお気づきかと思います。
この2つの仕様は後半の150台の中で混在しており、若い数字の方がチタン幕で後の数字の方が布幕だったりとごちゃ混ぜ状態です。
入手当初は塗装剥げはほとんどなく、使い込んでいくうちに今の姿になった僕のS3
自分のS3のシリアルは63122xxで、③の仕様となっております。
再生産型(オリンピック)に非常に近い仕様となっていますが、
底蓋のmade in Japanの大きさやパテントナンバーの有無など、細かいところを見ると若干異なっている部分もあります。
上が再生産型、下がオリジナルブラック用。大きさが若干違うのがわかる。
S3 オリジナルブラックに言及している日本語のサイトというのはほとんど見かけたことがありません。
自分がわかる範囲で書き綴ってみましたが、新たな情報などございましたらご教授いただけますと幸いです。
下から何か生えて…
また、月並みなことを言いますが、S3の長所というとやはり等倍で35mmが使えるという点だと思います。
当時の報道カメラマンはS3にW-Nikkor 3.5cm F1.8のセットが多かったようですが、自分も気に入っており、大半の写真をこの組み合わせで撮っています。
それらの写真やレンズの紹介はまたの機会に。
それではまた。